求人広告のひみつ

求人コピーライターが教える、正しい求人広告の読み方

「転職サイトによく求人広告が出ている会社=ブラック企業」は、間違った認識です。

f:id:taisk:20200206134743j:plain

求人広告制作歴14年の管理人が、広告制作のウラ情報を交えて転職活動のお役立ち情報を発信している『求人広告のひみつ』。今回はネットでまことしやかに語られている「転職サイトによく求人広告が出ている会社=ブラック企業」はウソであることの解説をします。

 

人が辞めるから常に人手不足

「転職サイトによく求人広告が出ている会社=ブラック企業」という情報の裏付けとして、「人がたくさん辞めているから常に人手不足なので転職サイトに求人広告を載せている」というのがあります。たしかに理屈が通っている感じがしますが、実は重要なポイントが抜けています。

それは、転職サイトの求人広告掲載料はクソ高いという点です。

 

求人広告掲載は金がかかる

求職者の方は知らないと思いますが、1回の掲載(4週間)で20万円以上かかります。さらに、検索上位に表示されるハイプランやスカウトメール、オファーメール、特集参画、メルマガ配信といったオプションを付け加えると、1回の掲載で掲載料100万円は余裕で超えちゃうわけで。それを年間でずっと掲載するとなると、求人広告の掲載料は1000万円を軽く超える計算になります。結構高いですよね。

さらにいえば、人の採用って社内の人件費もかかります。採用担当者の求人広告のチェック、日々の応募管理、面接の実施、配属部署との打ち合わせなどなど。入社をすれば、入社の手続きや社会保険の手続きに時間と手間がかかり、配属部署に受け入れた後は新人教育のために上司や先輩の時間が取られます。で、そんな新人がすぐに売上もしくは利益を埋めるわけがないですから、しばらくは会社からしたら赤字状態がつづくわけです。

何が言いたいかというと、

「常に人が辞めていくブラック企業が、転職サイトに常に求人広告を出し続けて、新しい人を採用する」という話には、ムリがあるわけです。

企業のどこにそんなお金があるんだ? そんな金があるなら他に直すべきところがあるんじゃないか? 人を辞めさせないほうが会社が潤うんじゃないか? 問題があるのに現状を維持しているのって経営者としてどうなんだ? などなど、ツッコミどころが満載なんですよ。この観点からいうと、

転職サイトによく求人広告が出ている会社=景気が良くて、お金を持っている&新人の受け入れ体制が整っている会社、ということです。

ただし、例外はあります。 

 

求人広告掲載にお金がかからない転職サイトが存在する

いわゆる「成果報酬型の転職サイト」というものです。このようなサイトは、応募があった、採用できた、という成果に対して料金が発生する仕組みのため、無料で求人広告掲載ができます。つまり、前述したようなロジックが通用せず、本当に「社員のことを大切にせず、辞めたならまた募集すればいい」という考えの会社が、ずっと掲載され続けている可能性はあります。

自分が使っている転職サイトが成果報酬型かどうかを調べたいときは、「成果報酬、転職サイト名」で検索するといいでしょう。求人広告を載せたい企業に向けたランディングページにつながり、「0円で広告掲載ができます」といったセールストークが書かれています。

同様に、ハローワークも求人票の掲載は無料です。

では、成果報酬型の転職サイトやハローワークは使わないほうがいい、というわけではありません。見極めることが大切です。

 

社員を大切にしない会社の見極め方

・会社ホームページに社員の顔写真がない
・求人広告に社員が載っている画像が1枚もない

というのは1つのチェックポイントとしてあるのですが、間違いないのは、「面接で会った採用担当者にやる気があるかどうか」を見るのが効果的です。

なぜかというと、人の出入れが激しい会社の採用担当者は、数をこなさなければならないため、採用業務に力が入りません。頑張って採用してもすぐ辞めてしまうような会社だった場合、採用担当者の仕事のモチベーションが上がるわけがないですよね。かなり事務的な対応になる場合が多いです。一方、人を大事にする会社は、採用担当の応募者1人ひとりにかける手間と時間が違います。濃いです。

これ、結構使えるテクニックなのでぜひ試してみてください。

 

まとめ

・「転職サイトによく求人広告が出ている会社=ブラック企業」とは言えない
・なぜなら、求人広告掲載には金がかかるから
・かかる掲載料と手間を考えたら、ブラック企業は崩壊する
・ただし、掲載料がかからない転職サイトもある
・面接を担当する採用担当者のやる気をみれば、会社の在り方も見えてくる

 

今回は以上になります。
この記事が転職活動の一助になればうれしいです。

 

▼▼「良い!」と思ったらクリックお願いします!▼▼
にほんブログ村 転職キャリアブログへ