求人広告のひみつ

求人コピーライターが教える、正しい求人広告の読み方

「未経験者歓迎!」という求人広告に「経験者も歓迎!」と書いている場合、選考で有利なのはどっち!?

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約14年間にわたって超大手企業から中小企業までいろんな求人広告を手がけて採用成功に導いてきた僕がコッソリ教える、求人広告のウラ側の話。今回は、「未経験者歓迎!」と謳いながら「経験者も歓迎」と書いてある求人広告における、企業の本音についてお伝えします。

 

企業の本音(本当は経験者がほしい…!)

想像がつくと思うのですが、事実もその通りでして、上記のような未経験者と経験者の両方に呼びかけている求人広告(専門用語でダブルターゲットと呼んでいました)の場合、企業が本当にほしいのは「募集職種の経験者」です。

 

なぜ、経験者が欲しいのに「未経験者歓迎!」というのか

企業の本音としては、未経験者も歓迎しているのです。なので、ウソはついていないんですよ。しかし、この場合、正確にいうと「いい人がいれば、未経験者でも大歓迎!」という感じなんですね。

となると、みなさんもこのような疑問が湧いてくるはずです。本当は経験者が欲しいのに、「未経験者歓迎!」と未経験者優先で欲しいように謳ってしまうのか。その理由は、転職サイトのとある仕組みに大きく関係しています。

 

「未経験者歓迎!」はアイコンを付けられる

転職サイトはどれでもその求人広告の内容に合ったアイコン(フラグともいう)を付けることができます。【業種未経験OK】とか【完全週休二日制】とか【残業月20h以内】とか【転勤なし】とか、そういうやつですね。求人広告の検索結果画面をよく見てみると、案件ごとにいろいろなアイコンがついていますよ。これは、求職者が求人を探すときにチェックした条件に紐づいていて、【完全週休二日制】にチェックして求人を探す人のところに、【完全週休二日制】の求人が表示されるようになっているんですね。

このアイコン、【未経験者歓迎】はあるのですが【経験者歓迎】はないんですよ(経験者歓迎アイコンがある媒体も一部ある)。で、【未経験者歓迎】の求人を探す求職者ってすごく多いんです。

つまり、自社の求人をできるだけ多くの人に見てもらうために、本音を隠して【未経験者歓迎】を前面に出していて、でも、本当に未経験者しか応募してこないと、それはそれで困るので、「経験者も歓迎」という本音が出ちゃっているというのが、事実だったりします。

 

これを利用した求人広告の攻め方

つまり、「未経験者歓迎!」と謳いながら「経験者も歓迎」と書いてある求人広告に応募する場合、募集職種の経験者の採用確率がゼッタイに高いです。

そのため、Web履歴書でも職歴の欄を採用担当にかなりチェックされるのですが、「俺はこの仕事の経験がある。前職でも結果を出した。御社でも即戦力でいけると思うぜ」的なことが伝わる情報を書いておけば、高い確率で選考通過できるでしょう。

同職種の経験を持っている場合、「未経験者歓迎!」と謳いながら「経験者も歓迎」と書いてある求人広告は、ライバルの少ない狙い目の案件です。その理由は次の項目でお話しします。

 

実は、未経験者も経験者も応募しない

「未経験者歓迎!」と謳いながら「経験者も歓迎」と書いてある求人広告は、実は未経験者も経験者も応募が集まりません。なぜかというと、未経験者と経験者のどちらを求めているか分からない求人広告よりも、誰を求めているか分かりやすい求人広告のほうを求職者は選ぶからです。

さきほど専門用語で「ダブルターゲット」ということをお伝えしましたが、これは求人広告制作では絶対やってはいけないこととされています。理由は、効果が確実に落ちるからです。そのため、エン転職ではお客様からご要望があっても理由を説明してお断りしています。それでも載っている場合は、お客様からの「強いご要望があった」と見ていいでしょう。しかし、広告を分かっている賢い採用担当者は絶対にしません。

だって考えてみてください。求人広告は給与の最低支給額を明示しなければなりません。広告を「未経験者歓迎!」にした場合、未経験者の最低支給額が給与欄に記載されるわけです。経験者からしたら「ちょっと待てよ」という金額です。それで応募するわけがないのです。もちろん実際のところ、経験者の給与は前職での経験を鑑みて反映されると思いますが、他にもたくさん案件があるのに、わざわざ問い合わせるといった面倒くさいことをしませんよね。

未経験者は「経験者の方も」と書かれている時点で、求められているハードルが高いと感じて応募しません。つまり、未経験者も経験者も応募してこないのです。で、よくあるパターンとして応募が来ない理由は媒体のせいにされるのですが、本当の原因はダブルターゲットです。

という状況になりがちだからこそ、同職種の経験を持っている場合は狙い目です。ただし、給与額については面接で必ず確認してください。たまーに、「経験者でも未経験者と同じ給与額でスタート」という会社もあったりしますから。

 

まとめ

 ・「未経験者歓迎!」と謳いながら「経験者も歓迎」と書いてある求人広告の場合、企業の本音としては経験者がほしい
・多くの人に見てもらうために「未経験者歓迎!」を前面に出している
・ぶっちゃけ、未経験者も経験者からも忌避される
・ゆえに、同職種の経験を持っている場合は狙い目案件でもある

 

今回は以上になります。
この記事が、あなたの転職活動のお役に立てばうれしいです!

 

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