求人広告のひみつ

求人コピーライターが教える、正しい求人広告の読み方

求人広告コピーライターが教える、ブラック企業の見分けかた。

f:id:taisk:20200222031812j:plain

求人広告制作歴14年の管理人が、広告制作のウラ情報を交えて転職活動のお役立ち情報を発信している『求人広告のひみつ』。今回は、他のアドバイスサイトでは語られていない本当のブラック企業の見分けかたを伝授します。

 

ブラック企業とは

明確な定義がなされておらず、そのためネット上では「俺が不愉快な思いをした=ブラック企業」と語っている例も少なくありません。

ここでは、組織的に社会的責任逃れをしようとしている企業、従業員の過労や提供サービス被害者からの訴訟と損害賠償に応じる気がない企業、末端の従業員とその待遇を軽視している企業、エンドユーザーや地域への貢献度が低い企業、悪徳商法をいとわない企業などを指したいと思います。

 

よくいわれる見分けかた

(1)受付がキレイかどうか
(2)社員の対応が丁寧かどうか
(3)オフィスのデスクは整理整頓されているか
(4)予定表の帰社時間が遅くないか
(5)社内の雰囲気が不穏でないか
(6)変な張り紙やポスターがないか
(7)トイレがキレイか
(8)駐車場の車はキレイか
(9)社内は掃除が行き届いているか
(10)クチコミサイトに変な情報はないか

このような(↑)ブラック企業チェックをアドバイスしているサイトもありますが、これまで4000社以上の企業の採用をお手伝いしてきた僕から言わせると、これは(↑)参考になりません

たぶん、発信者の方々がブラック企業と思っている会社の特長を羅列したものだと思うのですが、主観が強く、業種も偏りすぎています(たぶん営業会社の営業職ですね)。そもそもブラック企業とはどういうものなのかをきちんと考えていかないと、ブラック企業対策はできないと僕は思いました。

 

ブラック企業の正体とは

ブラック企業というものは存在しません。ブラック経営者がいるか・どうか、それだけなんです。

僕たちはよく、「うちの会社は~」なんて言葉を会話で使ってしまいがちです。 そのフレーズによって、会社という実体のないモンスターがあたかもいるような気になってしまい、思考停止してしまいます。だけどそうじゃない。社内のブラックな規律や空気や状況を作っているのは、すべて経営者の責任なんです。

 

ブラック企業を見分けるポイント

つまり、ブラック企業かどうかを見分ける一番のチェックポイントは「経営者」になります。経営者に会って、「なんかこの人おかしいな」「なんかこの人とは合わないな」と思ったら、その会社には入らないほうがいいです。絶対、転職後に後悔します。

 

とはいえ、面接で会った経営者がおかしいかどうかなんて、どう判断すればいいか分かりませんよね。その通りです。だからこそ、いろんな経営者に会うべきなんです。比較サンプルを増やすべきなんです。僕が、転職活動で大事なのは求人広告をスミからスミまで見ることよりも面接に行けと何度も言っている理由の1つがこれです。

 

▼参照記事▼

www.9zin.work

 

完璧なブラック企業なんてそうそうない

転職アドバイスサイトでは、バカの1つ覚えのように「転職するならホワイト企業に!」と言いますが、もし、あなたが、理想郷のような完璧なホワイト企業がこの世に存在すると思っているなら、早く目を覚ましたほうがいいと思います。

定時に帰れて給与が高い会社はあります。そのかわり、1人求められるパフォーマンスは相当高いです。オフィスが澁谷に会って内装がオシャレでスムージーが飲み放題のイケてる会社がありました。3年で倒産しています。儲かる仕組みが出来ていて、ノルマが低く、社員定着率の高い会社がありました。儲かる仕組みが崩壊して会社が倒産したとき、そこにいた社員は誰一人転職できていません。

終身雇用なんてとっくに崩壊しています。福利厚生が充実している有名大手企業ですら、定期的に大量リストラしているほど。たまにネットで話題になる福利厚生が充実しすぎている会社にも、ちゃんとウラがあるんですよ。

完璧なホワイト企業が存在しません。と同時に、完璧なブラック企業もそうそう存在しないことを知るべきです。

 

経営者への違和感を重視する理由

僕は、転職成功するかどうかの決め手は、その会社の経営者と合うか合わないかが超重要だと思っています。前述した通り、社員を取り巻く環境すべてを作り出しているのは経営者なので、自分と合わない経営者のもとで働くということは、気持ちよく働けない可能性が非常に高いです。

少し例え話をします。

「甲子園を目指そう!」と本気で考えている野球部員が、これまで何度もチームを甲子園に連れて行った監督のしごきを、「ブラック部活だ!」と非難するでしょうか。厳しい指導を「甲子園に行くためなら、これくらいのことはやらないといけない!」と納得して、監督の指示のもと練習に励むと思います。

これは、監督と選手の間に信頼関係が構築されているから成立することです。

同様のことが会社でも言えます。社長がこの会社で何を目指しているのか。その目指す未来に向けてどんな戦略を考えているのか。そのために自分はどんな仕事を担うのか。このあたりの話が一貫しており、本人が納得していれば、経営者と信頼関係が構築されていれば(あと人並みの給与が支払われていれば)、経営者や会社への不満は生まれません。

不満があると、社員としてやるべき当たり前のことに対しても、「うちはブラックなんじゃないか?」という疑念が湧いてくるものなのです。

ゆえに、自分は経営者と合うかどうかを、面接では見極めてください。僕は、これまで4回転職していて、失敗した会社もいくつかありますが、「入社して失敗した!」と感じた会社に共通していたのは、面接時の経営者への違和感でした。

 

経営者への違和感とは

10社、いろんな会社の面接に行ってください。そして、社長と会えるようにしましょう。そして、10人の社長に会って話をしていくと、「なんか、この人、合わないな」というのが見えてきます。

人間って、比較情報がある程度集まらないと、好意的に判断してしまうんですよ。

僕は、仕事柄いろいろな転職者から話を聞く機会があるのですが。転職失敗している人たちに共通しているのは、「効率よく転職活動をしようと思って、エントリーする企業をや面接に行く企業を絞っていること」です。

たしかに転職活動は時間とお金がかかります。しかし、場数を踏むことで、面接での緊張を抑えること、いろんな経営者を知ることなど、得られることは非常に多いです。だから、経営者に会って話をすることは、「その会社の選考を進める」ではなく、「自分の転職成功のための経験値稼ぎ」と考えてください。

ある程度の経営者と会っていくと、どの会社の経営者がしっかりしているか、尊敬できそうか、ヤバそうか、自分には合わなさそうか、面白いくらい見えてきますよ。

 

最後に

完璧なブラック企業なんてそうそうない、という話をしましたが、ごく少数、存在することは確かです。そして、そういった会社を引いてしまう人たちがいます。

でも、厳しいことを言いますが、そういう真正ブラック企業は、面接の段階から必ずまともな会社にはない“兆候”があるもので、見抜けないのは求職者の落ち度です。

よくブラック企業は自社のことをよく見せるのが上手い」とネットでは言われていますが、僕に言わせればそれは逆で「下手」です。騙されるのは、比較情報を持っていないからなんですよ。

そして、ネットで集めた転職情報で分かった気になってはいけません。このサイトに書かれていることも参考程度に考えて、自分の経験を大切にして、仕事選び・会社選びの判断軸にしてください。

 

今回は以上になります。
この記事があなたの転職活動の一助になればうれしいです!