求人広告のひみつ

求人コピーライターが教える、正しい求人広告の読み方

ネットでは推されていない『エン転職』のスゴさを、以前中にいた人として語ってみる

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求人広告制作歴14年の管理人が、ウラ情報を交えて転職活動のお役立ち情報を発信している『求人広告のひみつ』。今回は、松岡茉優さんのTVCMがかわいい転職サイト『エン転職』について語ります。

 

まず、知ってもらいたいこと

ネットに数多くある転職アドバイスサイト&ブログで、『エン転職』はあまり評価が高くありません。推しているサイト&ブログが極端に少ないと思います。ところが、TVCMでも謳っているように、オリコン顧客満足度調査 転職サイト部門で顧客満足度第一位になっている。この差は何なのでしょうか。

ここから先に書くことは、事実であり悪口でもあるのですが。

まず、転職ノウハウをネットで集めようとしている方に知っておいてもらいたいのは、ネットで「オススメ!」と書かれている転職サイトやサービスは、ほとんど、アフィリエイトの報酬額が高いもの、ということです。読者の中にも、「こちらからエントリーしてください」とバナー広告を踏んで会員登録した経験がある人がいるのではないでしょうか。それ、サイトの管理人にチャリンチャリンとお金が入っていますよ。

最近は、人材紹介や転職エージェントを勧めるサイトが多いです。1人会員登録して面談に来させれば、サイトの管理人に10000円~15000円の報酬が入る仕組みなんですね。すべてのサイトが悪質とは限りませんが、求職者のすがるような思いをカモにしている仕組みが数多く存在しているのは事実です。

転職サイトの場合は、1人会員登録すれば、1500円~4000円のアフィリエイト報酬がサイト管理人に入ります。これは、『A8.net』をはじめとしたASPアプリケーションサービスプロバイダ)に登録して案件を確認すればすぐ分かります。

で、本題なのですが、

『エン転職』は基本アフィリエイトやっていないんですね。なので、アフィリエイトやっているサイトやブログは絶対にオススメをしないのです。だって、アフィリエイトがある他の転職サイトや人材紹介に登録してくれたほうが儲かりますから。金にならないサイトをオススメする理由がないからです。

 

元『エン転職』にいた人間として思うこと

とはいえ、たくさんのサイトで紹介されているサービスのほうが何も知らない人からしたら「イイ!」と感じられるものでしょうし、『エン転職』に約14年間いた人間としては、今のこの状況が望ましいとは思っていません。

なので、『エン転職』の中の人間だと言いにくい(ヘンなヨイショに見られるから)良いところを、外に出た僕がなるべく中立的な視点で、語れる範囲で語ってみたいと思います。

 

スゴさ① 「入社成功」を目指していない基本姿勢

『エン転職』は、「入社成功」よりももっと先の「入社後活躍」を目指しています。これは、求職者が採用されて、入社して、会社になじんで、能力を発揮して活躍する未来、を目指しているということです。

商売としては、採用成功してもらっても、求職者がすぐにやめて、新しい求人広告を出稿してもらったほうがカネになるのですが、その考えを完全否定。きちんと定着して活躍できる人を採用してもらい、次にご利用いただくのは企業が一歩先の成長をするための採用の時、という考え方を持っています。

なので、転職サイトとしては、求職者と企業と仕事のマッチングにとてもこだわっていて、エン転職の求人広告の文字数(情報量)が多いのは、そのためです。

 

スゴさ② 仕事内容の情報が多くて濃い

4大総合転職サイトといえば、『リクナビNEXT』『doda』『エン転職』『マイナビ転職』だと思いますが、『エン転職』は【仕事内容】の情報の多さと濃さが際立っています

他のサイトと比べていただけると分かるのですが、業務内容を箇条書きでぺろーんと書くことを良しとしている転職サイトもある中、『エン転職』は結構がっつり書いているんですね。その理由は、きちんとその会社の仕事についてくわしく知ってほしいからです。

例えば、営業職といったら、ざっくり言ってしまえば、大体やる業務は同じです。でも、何を提案するのか、その提案によって何を実現したいのか、お客様は誰か、提案にはどんな知識が必要なのか、どんな動き方をするのか…など、フタを開けば、各業務の優先順位や営業としての“正解”も違うんですよね。

それを求人広告で伝えるのが、『エン転職』の基本姿勢なんです。

 

スゴさ③ 仕事の厳しいところを明かす

『エン転職』独自の項目が【仕事の厳しさ】。これは、本気で求職者と企業と仕事のマッチングを目指しているからこその項目といえるでしょう。そう、仕事の厳しい一面、多くの人がぶつかるであろう壁をオープンにして書く項目なんです。ひと言でいえば、ネガティブな情報をあえて載せています。

なぜ、書くのかというと、厳しい部分を知らないで入社してその事実を知ると、人間って「騙された!」と思うじゃないですか。で、一度騙されたと思ったことで生まれた不信感って、長く心に残りますよね。「そういうのをなくそう!」という発想から生まれたものなんです。

ぶっちゃけ、応募数に影響は出ます。書いたほうが減ります。

でも、減った人は入社後活躍するマッチングではなかった。むしろ、残った応募してくれた人との選考に時間とパワーを使いましょう、という考え方なんです。

ぶっ飛んでるでしょ?信念がないとできませんよ

もちろん、この【仕事の厳しさ】を出す・出さないでお客さんと揉めることもありますからね。それでも、「求人におけるすべての情報をオープンにしてミスマッチの少ない採用を目指そう!」という信念を曲げないんですね。

 

スゴさ④ 全件、取材に行っている

行ってるんですよ、取材。1案件ごとに、場合によっては結構遠いところまで。60~90分取材の時間をいただいて、仕事の様子がイメージできるまでお話を聞いています。僕はコピーライターだったので必ずしも取材に行かなくても良かったのですが(書くのが仕事だったので)、可能なかぎり現地に足を運んでいましたね。

正式な取材じゃなくても、飲食店のスタッフ募集のときはその店に必ず足を運んで、料理を注文して食べました。自腹です。応募が集まりにくいラーメン屋さんの広告を書いていた時は、深夜1時~3時までお店に行って味噌ラーメンを食べながら仕事の様子を観察していたことも。コピーライターだったら当たり前なのですが、現場の空気を知りに行く、経験してみる、ということを踏まえて、『エン転職』の求人広告って作られているんですよ。

求人広告って、いい会社っぽく体裁を整えようと思ったら、いくらでも整えられる一面はあります。コピーライターがそのスキルを何のために活かすのか。それって、所属している会社の方針に大きく左右されると思いますが、エン・ジャパンのコピーライターは基本的に、「求職者のために」を判断軸にして広告を作っています。

僕はエン・ジャパンをやめていろんな会社へ面接に行きましたが、効率化の名のもとに、求人広告のライティングにかける手間とヒマを削減している会社なんていくらでもあるわけで。HR系ベンチャーでイケてる雰囲気を醸している会社でも、謳っていることとやっていることがズレていることなんてザラにあります。

そういう現実を知ると、求人広告づくりに手間とヒマをかけることで伝わるものがあると信念を持って続けている『エン転職』って、やっぱりスゴイなと思いました。中にいると分からないことは、外に出ると見えてきたりするんですよね。

 

スゴさ⑤ お客さんとも戦う

「こっちは金出しているんだぞ!」と言われても、「いや、ここは譲れません!」と戦うことがあります。もちろん、態度が大きいメディアというわけではなく、基本的にお客さんと目的を共有し、伴走していくスタイルなんですけどね。目的を達成するために間違っている修正指示があったり、求職者に不利益が生じる修正があったりすると、戦います。ガチで戦います

業務効率化を考えたら、お客さんの言うことを飲んでトラブルにしないほうがラクなんですよ。気持ちよく納品してもらったほうが、後々やりやすいですし。でも、本当にお客さんにとって一番いいことは、仕事や会社にマッチングした人が採用されることだと考え、その実現のために、モメ事が起きても退かない、という点は、営業、制作に共通している思いなんですよね。お客さんに対して言いにくいことでも、必要だった時にはしっかり言う。意見を持って説得する。これって、なかなかできることじゃないと思います。

 

さいごに

『エン転職』って、パッと見、1件あたりの求人広告の情報量が多くて「うえー」ってなるんですけど、その背景には上記のような信念があるのです。でも、そういったところを伝えるのがあまり上手くないところはあって。求人広告だけを見ていると、どんな思いでサイトを運営しているのか、そのためにどんなことと向き合っているのか、他の転職サイトとの差はよく分からないんです。『doda』がフォーマットやサイトの色合いを真似たりして(僕にはそう見える)、ますます見分けがつかなくなっちゃった。

けど、言われないと気づかない程度の小さな違いかもしれませんが、求職者にとってはこの差は大きな差になります。

エン・ジャパンを辞めた後、僕はいろいろな会社に足を運んでHR領域についていろんな話を聞きました。いろいろな媒体のリアルな話も聞きました。だからこそ、『エン転職』が目指している未来、大切にしている思い、そのために行動していることは、転職サイトの中では一番好感が持てるものだと思った次第です。

『エン手職』の求人広告を見る機会がありましたら、この記事で話したことを思い出してみてください。いままでとちょっと違う見え方がして、いかに求職者に寄り添った情報提供をしているか、分かっていただけるかと思います。

 

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