求人広告のひみつ

求人コピーライターが教える、正しい求人広告の読み方

求人広告で押さえるべきポイント――なぜ、この募集をしているのか?

f:id:taisk:20200103123508j:plain

求人広告コピーライターを約14年間やってきた僕に言わせれば、求人広告を見る時に「募集の理由」は絶対に押さえておくべきポイントでしょう。なぜなら、ここにその会社の本性が隠されていると言っても過言ではないからです。

 

 

騙されないための求人広告の正しい読み方

今回は、求人広告に騙されないための正しい求人広告の読み方について教えます。以前の記事で書いた通り、求人広告は求職者を騙す目的では書かれていません。

しかし、意図的に情報を隠していたり、注意を別の方向に向けようということを、していることはあります。その見破り方を、求人広告を約14年間手がけてきた僕が教えていく記事です。

 

「募集背景」に注目しよう 

なぜか? それは、「なぜ募集するのか」という情報を求職者にどう伝えているかを紐解いていくことで、その会社の求職者への姿勢やその会社の状況が見えてくるからです。

募集背景とは、なぜ、今回その職種を募集することになったのかを求職者に説明する項目です。求職者に分かりやすく、順序立てて、説明されていれば、その会社は求職者に対してきちんと誠意を持って採用しようとしています。逆に、何か情報を隠している、煙に巻こうとしている場合は、自社の体裁を整えることが求職者への誠意ある対応よりも優先されているわけで。まあ、そういう会社だったりします。

つまり、募集背景を読んで、求職者に分かりやすく、順序立てて、説明されているかどうかを、必ずチェックしましょう。

とはいえ、求人広告はプロのコピーライターが書きます。上手く体裁が整えられているので、慣れないうちはパッと見では分かりません。なので、よくある手口と文例、その場合どういうことが考えられるかを、次にまとめました。

 

募集背景の良い例

【良い例01】
「産直送の地鶏の串焼き専門店『●●●』を運営している当社。お店はTVの情報番組やお出かけ系雑誌で何度も取り上げられており、連日大盛況です。ご期待にお応えする形で、●月に●●店、●月に●●店、●月に●●店をOPENすることになり、そのため、新店と既存店の運営体制を整えるため、全店でスタッフを増員することになりました。」

=良い例01の理由=
何のために人手が足りないのかが明確になっています。新店をオープンさせることによって、既存店から新店に異動する人もいるので、全店で運営体制を整えるために新店を含めた全店で募集することは納得のできる話です。

 

募集背景の気をつけたほうがいい例

【気をつけたほうがいい例01】
(記載なし)

=理由=
求人メディアによっては、記載が必ずしも必須でないところもあります。が、こういうところは面接で必ず募集背景について質問をしましょう。意図的に、この話題に触れないようにしているケースもあります。

 

【気をつけたほうがいい例02】
「業績好調につき、増員することになりました。」

=理由=
これはよく使われる定型文です。【良い例01】と比べると分かりやすいですが、説明しているようで何も説明していません。意図的に、募集する理由を隠していると考えられるため、面接で「求人広告では説明になっていないと感じたため、質問させてください」と聞いてみてください。

 

【気をつけたほうがいい例03】
「このたび、責任者を募集することになりました。」

=理由=
一概に悪いというわけではないのですが、部署などの責任者は新設部署でもないかぎり既存事業をよく知っている社内のメンバーを上に上げるのが順当です。それをなくして外から募集するということはそれなりの理由が必ずあるので、ここは面接で突っ込んだほうがいいでしょう。

 

【気をつけたほうがいい例04】
「●●名の大量採用を行なうことになりました。」

=理由=
募集企業が大手の場合は、よくある大量募集での定型文なので問題ありません。注意したほうがいいのは、そこまで規模が大きくない会社の場合。下手をすると、既存社員よりも多い新人を採用しようとしている場合も。下手をすると、入社後の教育やサポートが全くない可能性もあるので、面接で聞いてみたほうがいいでしょう。

 

【気をつけたほうがいい例05】
(募集背景と関係のない自社自慢がたくさん書かれている)

=理由=
「ウソだろう?」と思うかもしれないけど、たまにクライアントから指示されることがある。本題の募集背景から目をそらしたいがために、受賞歴や売上昨対比、メディア露出などを盛り込んでくるパターン。これは、自社採用力の自信のなさの裏返しなのです。面接では冷静に、募集理由について聞いてください。

 

まとめ

募集の理由を気にする求職者って少ないと思います。僕も求人広告コピーライターをやっていた時、よく転職系のイベントに足を運んで求職者の方たちにヒアリングを行なっていましたが、気にしている人はほとんどいませんでした。

でも、「なぜそのポジションを募集しているのか?」を知るということは、とても重要です。親切部署ならともかく、既存部署の場合は前任者がいるわけです。その前任者はどうなってしまったのでしょうか。辞めちゃったのか。だとしたら、なんで辞めたのか。異動したのか。なら、社内異動はどれくらいの頻度で行われるのか。募集理由から見えてくることって、意外と多いのです。

もちろん、求人広告だけでは、その会社と仕事が吉と出るか凶と出るかは分かりません。面接とセットの話になりますが、ぜひ注目してみてください。

 

今回は以上になります。
みなさんの転職活動のお役に少しでも立てれば、嬉しいです!

 

 

 ▼▼「良い!」と思ったらクリックお願いします!▼▼
にほんブログ村 転職キャリアブログへ